【2025年最新】韓国観測史上最悪の山火事、東京23区すっぽり入る広さ焼失

2025年4月10日木曜日

韓国暮らし

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 2025年春、韓国で観測史上最悪の山火事が発生しました。

広大な山林が焼失し、地域住民に長年親しまれてきた貴重な遺跡や観光資源、そして何よりも人々の生活基盤が、一瞬にして奪われたのです。

その焼失面積は当初の発表を48,200ヘクタール大きく上回る10万4000ヘクタールにも及ぶ。

これは東京都の面積の1.67倍に相当する広さで、想像を絶する被害規模です。

なぜ、これほどまでに被害が拡大してしまったのでしょうか?

日頃から行われていたはずの注意喚起やパトロール、入山規制は、十分に機能していたのでしょうか?

本記事では、この未曾有の山火事の概要と背景、防災体制の課題をわかりやすく解説するとともに、私たちの暮らしにどう備えるべきかを一緒に考えていきます。

2025年春・韓国「観測史上最大」山火事 – 数字で見る被害実態

概要: 2025年3月下旬、韓国東部を中心に同時多発した山林火災は、江原道カンウォンド(江原道)や慶尚北道キョンサンブクド(慶尚北道)など11の市・郡に被害が及ぶ「観測史上最大規模」の山火事となりました (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)。

火災は3月21日に南部・慶尚南道サンチョン(山清)郡で発生したのを皮切りに、翌22日には北東部の慶尚北道ウィソン(義城)郡でも発生し、乾燥した空気と強風により周辺地域へ急拡大 (韓国の大規模山火事が鎮火 発生から7日 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」) (韓国・死者30人“最悪の山火事”…予報機能なき「山火事拡散予測システム」の限界が浮き彫りに 写真枚 国際ニュース:AFPBB News)。

特に義城郡の火災は清松(チョンソン)郡・英陽(ヨンヤン)郡・盈徳(ヨンドク)郡方面へ延焼し、発生から7日後の3月28日にようやく鎮火しました (韓国の大規模山火事が鎮火 発生から7日 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」)。

一連の大規模火災は合計10日間燃え続け(21日~30日)、韓国政府は3月30日付で「全国的な山火事災害が完全に鎮圧」と発表しています (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)。

(Landsat Image Gallery - South Korea Charred by Fire)米NASAの衛星写真(擬似カラー)に写った、韓国東南部の80km以上にわたる焦土(茶色部分)。

左側の内陸(写真中央付近の黒い湖周辺)で発火し、右端の東海岸まで延焼した山火事の焼失跡が一目で確認できる (South Korea Charred by Fire) (South Korea Charred by Fire)。

主な被害規模(数字で見る)

 焼失面積  

4万8,000ヘクタール(当初発表)から10万4,000ヘクタールへと修正 (韓国の大規模山火事 被害面積は当初発表の2倍超=東京23区の1.67倍 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」)。

最終的な被害面積は東京23区の約1.67倍にも達し、東京ドーム換算ではおよそ2万2千個分という広大な森林が焼失しました (韓国の大規模山火事 被害面積は当初発表の2倍超=東京23区の1.67倍 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」)。

これは、従来の最大記録だった2000年春の江原道沿岸部火災(約2万4千ヘクタール)を大きく上回る規模です (韓国山火事の死者26人、延焼続く 被害規模は史上最悪に | ロイター)。

 人的被害  

死者30人・負傷者45人にのぼりました (韓国・死者30人“最悪の山火事”…予報機能なき「山火事拡散予測システム」の限界が浮き彫りに 写真枚 国際ニュース:AFPBB News)。

被害は住民だけでなく消火活動中の消防隊員にも及び、殉職者も含まれています。

死者30人・負傷45人という人的被害は、韓国における山火事災害として過去最悪となりました (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)。

 避難者数  

延べ約3万7,800人が緊急避難し (2025年3月韩国山火 - 维基百科,自由的百科全书)、体育館などに身を寄せました。

火災鎮圧後も被災地域では6,000人以上が避難所での生活を余儀なくされています (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)。

 焼失建物数  

住宅や施設など約3,300棟が全焼しました (韓国の山火事鎮圧、死者30人 焼失面積は東京23区の4分の3相当:朝日新聞)。

歴史的建造物への延焼も相次ぎ、7世紀創建とされる寺院が焼失するなど文化遺産・天然記念物への被害も報告されています (韓国の山火事鎮圧、死者30人 焼失面積は東京23区の4分の3相当:朝日新聞)。

 消火までの日数  

最大規模の火災(義城郡発生分)は約7日間(発生から7日目)で鎮火 (韓国の大規模山火事が鎮火 発生から7日 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」)しましたが、山清郡で21日に発生した火災は完全鎮火まで**213時間(約9日間)**を要しました (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)。

10日間燃え続けた今回の一連の山火事は、韓国で記録上2番目に長く続いたケースとなりました (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)。


 消火活動動員  

消防隊・軍・警察など総力を挙げて動員されました。

空からは延べ120機以上のヘリコプターが投入され (韓国山火事の死者26人、延焼続く 被害規模は史上最悪に | ロイター)、韓国国軍も約6,000人の兵力と242機ものヘリを派遣して消火作業に当たりました (2025年3月韩国山火 - 维基百科,自由的百科全书)。

地上では全国各地から消防隊員が集結し、延べ数万人規模の人員で消火・救助活動が行われました。

気象条件と拡大要因

今回の被害がここまで拡大した背景には、春先の極度な乾燥と強風という悪条件が重なりました。

韓国では3月下旬~4月にかけて高気圧に覆われて雨が少なく空気が乾燥しがちで、発生当時も各地に乾燥注意報が出ていました (韓国の山火事鎮圧、死者30人 焼失面積は東京23区の4分の3相当:朝日新聞)。

さらに山火事当日は最大瞬間風速25m/s超(台風並み)の暴風が吹き荒れ、飛び火が数百メートル先まで次々と燃え広がる事態となりました (韓国・死者30人“最悪の山火事”…予報機能なき「山火事拡散予測システム」の限界が浮き彫りに 写真枚 国際ニュース:AFPBB News)。

実際、義城郡の火災は発生からわずか3日間で清松・英陽・盈徳まで急速に延焼し、消防隊でも火勢を抑え込めない「爆発的延焼」となりました (韓国・死者30人“最悪の山火事”…予報機能なき「山火事拡散予測システム」の限界が浮き彫りに 写真枚 国際ニュース:AFPBB News)。

特に江原道カンヌン(江陵)市における強風時の延焼は、山火事拡大の典型例としてしばしば言及されます。

例えば2023年4月に江陵市で発生した山火事では、局地的な突風(時速100km以上)により火の粉が市街地まで飛び、わずか8時間で379ヘクタールの山林と70棟以上の建物を焼失させました (韓國江陵市山火至今1死16傷) (韩江陵山过火面积379 公顷 - 华文西贡解放日报)。

当時は風があまりに強く消防ヘリが飛行不能になるほどで、1,000人超の消防隊員を投入しても消火は難航しました (南韓江原道江陵市山火逾千人疏散- 有線寬頻i-CABLE)。

このように乾燥・強風時の山火事は短時間で手に負えない規模に拡大しうるため、韓国当局は火災発生時に全国的な「山火事非常事態」を宣言し、住民避難指示や他地域からの消防応援を迅速に行いました。

なお、今回の火災の出火原因は多くが人為的要因とされています。

韓国政府の調査によれば、義城郡の火災は墓参に訪れた住民のライター火が枯れ草に燃え移ったことがきっかけで発生し、山清郡・河東郡の火災は農作業中の機械火花、蔚州郡の火災は農場での溶接作業中の失火、金海市の火災は墓地管理人がごみ焼却中に引火、といった具合に火の取り扱いミスが直接の原因でした (2025年3月韩国山火 - 维基百科,自由的百科全书)。

これら人的要因に強風・乾燥が重なり、瞬く間に大規模な山林火災へと発展したのです。


日本国内への教訓・比較

今回の韓国の「괴물(ケムル:怪物の意)山火事」は、日本の防災関係者にも他人事ではない教訓を残しています。

山火事発生件数と被害面積推移

日本では幸いこれほどの超大規模山火事は近年発生していませんが、それでも毎年のように各地で山火事が起きています。直近5年間(2019~2023年)の日本国内の山火事発生件数は年間約1,300件で、焼失面積は年間約700ヘクタールに及びます (林野庁/日本では山火事はどの位発生しているの?:林野庁)。単純計算では、日本では毎日約4件の山火事がどこかで発生し、1日あたり約2ヘクタールの森林が焼けている計算です (林野庁/日本では山火事はどの位発生しているの?:林野庁)。これは決して無視できない被害ですが、今回韓国で焼けた延べ10万ヘクタールという面積は、日本の年間焼失量の数十年分(約150年分)にも相当する桁外れの規模です。

具体的な比較として、2021年2月に栃木県足利市で発生した山林火災は関東では近年最大級でしたが、それでも延焼面積は約167ヘクタールに留まりました (火災の年表 - Wikipedia)。これは韓国の今回の火災(10万ヘクタール規模)の**わずか0.16%(約1/600)**に過ぎません。日本国内では山火事の延焼が数百ヘクタール規模に達すること自体まれであり、住宅が多数焼失するケースも限定的です。

しかし、乾燥した季節・強風下では日本でも山火事が大規模化するリスクは存在します。

実際、足利市の火災も冬の乾燥と風にあおられて消火に約10日間を要しました(被害家屋はわずかでしたが) (火災の年表 - Wikipedia)。

今回の大火災から得られる教訓として、日本でも以下の点が示唆されます:

  1. 早期警戒と予測体制: 韓国では山火事拡散予測システムの不備が指摘されました (韓国・死者30人“最悪の山火事”…予報機能なき「山火事拡散予測システム」の限界が浮き彫りに 写真枚 国際ニュース:AFPBB News)。日本でも山火事発生時に気象条件から延焼方向や速度をシミュレーションする技術の整備が求められます。とくに強風時には平時の延焼想定を超えるスピードで火が拡がるため、 気象庁や消防当局による事前の警戒情報の発信住民への早期避難呼びかけが重要です。
  2. 人的要因への対策: 墓参や農作業での火の取扱いには細心の注意が必要です。日本でも山焼き・焼畑やたき火の不始末が山火事の原因となる例があり、防災教育や監視の強化が有効と考えられます。韓国では火災当時、避難指示の遅れや不十分な周知により高齢者らの犠牲が増えたとの指摘もありました (2025年3月韩国山火 - 维基百科,自由的百科全书)。日本でも高齢化が進む中、避難情報の迅速かつ周知徹底や、地域の支え合いによる高齢者の早期避難誘導が課題です。
  3. 消火体制の充実: 今回、韓国は軍を含めた大規模な消火体制で臨み被害拡大を食い止めました。日本でも大規模山火事に備えて自衛隊との連携や広域消防応援体制を点検し、ヘリコプターの融通や消火資機材の確保を図る必要があります。ドローンや衛星画像の活用による火災状況把握など、新技術を用いた初動対応力強化も検討すべきでしょう。

今回の韓国の山火事は、「数字」で見ても被害の甚大さが際立ちます。

被災地域は今後、森林の回復に長い年月がかかるとみられ、土砂災害防止の応急対策も進められています (韓国の大規模山火事 被害面積は当初発表の2倍超=東京23区の1.67倍 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」)。

日本においても対岸の火事と捉えず、乾燥期の山火事防止や大規模火災への備えに活かすことが肝要です。

出典: 韓国山林庁・中央災難安全対策本部 発表、KBS WORLD (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese) (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese) (山火事が鎮圧 死者30人 過去最悪の被害に l KBS WORLD Japanese)、聯合ニュース(日本語版) (韓国の大規模山火事が鎮火 発生から7日 | 韓国の社会・文化ニュース|韓国旅行「コネスト」)、朝日新聞 (韓国の山火事鎮圧、死者30人 焼失面積は東京23区の4分の3相当:朝日新聞)、ロイター (韓国山火事の死者26人、延焼続く 被害規模は史上最悪に | ロイター)、AFP通信 (韓国・死者30人“最悪の山火事”…予報機能なき「山火事拡散予測システム」の限界が浮き彫りに 写真枚 国際ニュース:AFPBB News)ほか.

近年、地球温暖化の影響により、世界的に大規模な山林火災のリスクは増大の一途を辿っていると言われています。

韓国や日本で発生する山火事の主な原因は、依然として人間の不注意による火の不始末が ほとんどを占めています。

今回の最大の被害地となった慶尚北道義城の山火事も、墓地の清掃を行っていた墓参り客の失火が原因であったことが確認されています。

今年に入ってから同時多発した他の山火事の発生原因についても、現在詳細な調査が進められています。

しかし、このような大型山林火災のリスクが高まっていることは、以前から指摘されていました。

発生時期も、毎年ほぼ3月から5月にかけての乾燥しやすい季節に集中する傾向があります。にもかかわらず、今回の消火活動は初動から遅れ、結果として最後まで後手に回ってしまった印象は拭えません。

その背景には、どのような要因があったのでしょうか。

残念ながら、この繰り返される山火事の被害を踏まえ、防災のあり方を根本的に改善していこうという声は、いまだ関係当局からもメディアからも市民に十分に届いているとは言えません。

今回の甚大な被害を教訓とし、実効性のある防災対策を早急に構築していくことが、今まさに求められています。

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